以下に最新開発環境の取得とUSB driverの変更点について記載します。
1. 開発環境の準備
Kernel / Firmware build環境はCent OS 5.5にて行いました。
参考リンクの「Sources and toolchain to build fon-ng and application」の記載がすべてなのですが、必要とするpackageについては Cent OS用に読替える必要があります。yumによるpackage適用となります。このときtftp server packageも一緒にインストールしておきます。
rootユーザーにてログインし、Yumから必要なpackageをインストールします。 # yum install binutils cpp gcc kernel-headers make zlib-devel ncurses-devel gawk bison flex unzip bzip2 autoconf intltool python subversion 次にPerlのmoduleをロードします。 # cpan … 最初のCPANの機動の場合には、質問がされます。基本敵にはEnterでOKです。ダウンロード先は国内のサイトを選択します。CPANのpromptが表示れさたら、Diget, Digest::CRC, YAMLをインストールします。 CPAN> install Digest CPAN> install Digest::CRC CPAN> install YAML CPAN> exit |
Cent OSには一般ユーザーにてログインし、最新の開発環境をdownloadします。 % svn co http://svn.fonosfera.org/fon-ng/trunk 環境の初期化処理を行います。 % cd trunk % sh ./install.sh |
2. WSIM / H12HW用の修正
Cent OSのコンソールから trunk/openwrt/build_dir/linux-fonera2_developer/linux-2.6.26.2/drivers/usb/serial に移動します。bold字体の箇所が今回の追加です。
pl2303.h: WSIMのproduct IDを追加します。
#define IODATA_VENDOR_ID 0x04bb |
pl2303.c: IODATAのvendor IDとWSIMのproduct IDの組をtableに追加します。
{ USB_DEVICE(IODATA_VENDOR_ID, IODATA_PRODUCT_ID) }, |
option.c: H12HWのproduct IDを追加します。D02HWはE220として記載されています。
#define HUAWEI_VENDOR_ID 0x12D1 |
HUAWEIのvendor IDとH12HWのProduct IDの組をtableに追加します。
{ USB_DEVICE_AND_INTERFACE_INFO(HUAWEI_VENDOR_ID, HUAWEI_PRODUCT_E600, 0xff, 0xff, 0xff) }, |
3. kernel/firmwareのbuildとFonera 2202 firmwareの更新
「Sources and toolchain to build fon-ng and application」の記載に沿って、build作業を実施します。
% cd openwrt % make menuconfig |
ここで、Fon 2.0g (2202)用の設定となっているか、developer modeとなっているかの確認とpl2303の追加を行います。
kernel/firmwareのbuildを実施します。 % cd trunk/openwrt % make V=99 |
Firmware(trunk/openwrt/bin/openwrt-fonera2.image)をtftp serverに置きます。ここでは Cent OS にtftp server packageをインストールしました。
Fonera 2202は以下のように接続します。
- Fonera 2202のInternet側のコネクタ(白)をCent OSと同じLANに接続します。
- Fonera 2202の筐体を開け、シリアルケーブル(カモン携帯電話用ケーブルの改造品、TxDのためにVCC pull upが必要)を接続します。
「Firmware update instructions」に従って、作成したfirmwareに入れ替えます。この作業については、更新に失敗するとFoneraが起動しなくなることもあります。もとのfirmwareに戻すには、Fonのダウンロードサイト(http://download.fonosfera.org/)から該当firmwareをdownloadし、同様の手順にて戻します。ダウンロードサイトに用意されているFirmwareは以下のようです。
Code name | Version | Desctiptions |
Gari | 2.3.6.0 | Fon 2303用firmwareが用意されている。 |
Elan | 2.3.0.0 | Fon 2303用firmwareが用意されている。 |
Cheeky | 2.2.6.0 | Fon 2303用firmwareが用意されている。 |
Flipper | 2.2.5.0 | Fon 2202用firmwareが用意されている。 |
Platero | 2.2.4.0 | Fon 2202用firmwareが用意されている。 |
Caterpillar | 2.2.3.0 | Fon 2202用firmwareが用意されている。 |
OktoPussy | 2.2.2.0 | Fon 2202用firmwareが用意されている。 |
Trantor | 2.2.1.0 | Fon 2202用firmwareが用意されている。 |
failsafe | N/A | Fon 2204用のfailsafe firmwareと思われる。※1 |
※1 私自身は試したことはありません。
Fonera 2202 の接続は以下のようにして行いました。 Fonera 2202: シリアルピン -- カモンケーブル -- シリアルUSB変換 -- Note PC Ethernet(白) – Ethernet HUB ----- Cent OS 5.5 (tftp server) 1. Foneraにシリアル接続したNote PCにて、端末ソフト(e.g. TeraTerm)を起動し、シリアルUSB変換機が設定したCOM port (e.g. COM6)に割り当てる。 2. Fonera 2202を機動。起動後、RedBootから ^Cの入力を促すpromptが表示されたところで、Note PCの端末ソフトから ^C を入力。 +Ethernet eth0: MAC address **:**:**:**:**:** IP: 0.0.0.0/255.255.255.0, Gateway: 0.0.0.0 Default server: 0.0.0.0 RedBoot(tm) bootstrap and debug environment [ROMRAM] Copyright (C) 2000, 2001, 2002, 2003, 2004 Red Hat, Inc. Board: FON 2202 3. ここでは、Fonera 2202のIP addressを192.168.0.1、tftpserverのIP addressを192.168.0.100と設定します。 RedBoot> ip_address -l 192.168.0.1/24 -h 192.168.0.100 4. tftp serverより、firmwareをダウンロードし、設定を行います。resetで再起動し、新規firmwareが機動します。 RedBoot> load –r –b %{FREEMEMLO} openwrt-fonera2.image RedBoot> fis delete image RedBoot> fis create image RedBoot> reset |
Firmwareが更新されますと、それまでの設定がクリアされてしまいます。Foneraの自動更新スクリプトでは、/etc/以下のファイルの一部を保存して、更新後に戻してしいるようです。
pl2303をbuiltin したkernel/firmwareが起動すると以下のメッセージが記録されます。
# dmesg … usbserial: USB Serial support registered for pl2303 |
USB Hub経由で WSIMをFonera 2202に接続したときのメッセージは以下のようになります。
WSIM接続の構成は以下のようになります。 Fonera 2202: # dmesg … pl2303 1-1.1:1.0: pl2303 converter detected |
参考リンク
- Fonera 2.0g, http://wiki.fon.com/wiki/Fonera_2.0g
- Sources and toolchain to build fon-ng and applications, http://trac.fonosfera.org/fon-ng/wiki/build
- Firmware update instructions, http://wiki.fon.com/wiki/Firmware_Update_Instructions
- USB-WSIMをLinuxで使う, http://techno-st.net/2009/12/13/usb-wsim-linux.html
- USB-WSIMをLinuxで使う。, http://city.hokkai.or.jp/~hachikun/USB-WSIMlinux.html
変更履歴
- 2010/07/29: yum installとcpanについて記載を追加
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